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インテリアと空間の考え方

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D HOUSE(リフォーム)


よく使う照明器具があります。
使うことを最初から決めている訳ではなくて、設計が進むにつれて徐々に絞り込まれてゆき、最終的にクライアントにお勧めする事が多いというものです。その1つがルイスポールセン社のミニマルペンダントです。筒型のソケットに、小さなメガホン型のシェードが少し隙間を空けて取り付いているという、極めて単純なデザインです。

採用した理由を後で考えてみると、一番は上手く空間に溶け込むということです。そのシンプルさゆえ、照明器具が目立ちすぎる事なく空間や料理を引き立ててくれます。(ちょっと褒めすぎですね。)又、私自身が照明器具の形そのものは見えないで、光だけが空間の中に存在するのが理想だと思っているという部分もあります。

照明器具に限らず、建物の中に置くすべての物(食器、電化製品、システムキッチン、家具等)を空間に溶け込むかどうか?という発想で見ます。だから、カタログに何千種類のラインナップがあったとしても使えるのは1〜2点だったりして、意外と少ないのです。そして無い場合はオリジナルを製作する場合もあります。製作すれば空間に馴染む事に集中してデザインすれば良いのですから理想的です。製作と言うと高そうですが、場合によっては既製品よりも安くなる事もあります。

突き詰めてゆくとすべての物を製作し、デザインをコントロールしたい衝動に駆られるのですが、現実にはそういう訳にはいきません。生活に必要な物の数は無数に有り、また人のライフスタイルや趣味も多様だからです。
そこで、最近は空間と少しぐらいズレのある(少しというのが重要なのですが)物を置いても気にならないような寛容な空間作り。人と物と空間の調和が保てるような懐の深いデザインの建物を作ることを同時に考えてゆく事が大切ではないかと思っています。

photo by Toshiyuki Numata