Learn

良い工務店とは

基本チェック項目

【1】工務店の体制
【2】施工技術の高さ
【3】施工知識の豊富さ
【4】設計図の理解力
【5】連絡と報告の良さ
【6】工事現場管理能力
【7】積算能力
【8】工事費の適正さと安さ
【9】アフターケアの良さ
【10】施工実績(品質を重視)
【11】地元・施主・他の建築士の評判

設計事務所をやっていると良く分かるのですが、工務店のレベルはピンからキリまでの落差が大変大きく、その選択によって家づくりの成功を大きく左右します。自分の仕事に誇りを持っており、たとえ何も言わなくても設計図上で肝心な部分をしっかり確認し、正確な良い仕事をしてくれるところもあれば、何度注意しても設計図に目を通さず、少し目を離すと間違った施工をし、仕様と違う製品を発注したりするような論外なところまで色々です。
また、それぞれ得意としている分野があります。例えば、メーカー住宅や建売住宅の施工を得意としている工務店に注文住宅を依頼するのは、仕事のペースや進め方が違うので無理があります。ですので、得意分野や適性を見極めることも大切です。

基本的に設計事務所に依頼して家をつくる場合は、工務店の選定に関してアドバイスが得られます。それを参考にして工務店を選ぶのが、一番良いと思います。設計事務所は数多くの工務店の工事を監理し、色々な職人の仕事を見ています。又、同業者の仲間から工務店についての良い噂も、悪い噂も入ってきます。ですので、建築士は良い工務店を選択する方法について経験上最もよく知っていると思います。

では、我々はどういうところを注意して見ているか?ということについて書きたいと思います。
工務店を選ぶ時に最も重要なのは、やはり確実な施工をし、後々面倒を見てくれるという「信用と信頼」です。これに勝るものはありません。設計・施工レベルの高い家を施工した実績があり、施主や建築士の評判が良いというのも大切です。そして、誰が工事現場の現場監督として担当になるのか?ということを確認し、実際に担当者に会って色々な話をする中で、知識、判断力、人間性を確認します。工事というのは、設計者、現場監督、職人の連携プレイによって上手く進んでいくものですので、それぞれの担当者個人の能力が高くないと、上手く機能しなくなってしまいます。

人間性について、経験則で全てでは無いですが、話が非常に上手い人や自分の仕事をやたらと自慢する人は注意します。こういうタイプを、業界では口で仕事をする人と言います。仕事は行動で示すものであって、職人気質で無口でも良いので、しっかり丁寧に仕事をしてくれる人の方が良いのです。

工事金額については、安いことも重要ですが、それよりももっと大切なのは、見積書の内容がしっかりしているか?見落としや、いい加減な数量を入れていないか?という点です。(見積書は、工事契約の前に取るものですので、良い判断の材料になります。)見積書というのは、ただ単に工事の金額が書いてあるだけで無く、どういう工程で、どういう種類の工事をするのか?ということも読み取ることが出来ます。そこで、工事全体を事前に把握する能力や、段取りの良さが分かります。又、見落としが沢山あると、当然金額は安くなりますが、工事の後半になってくると資金繰りが段々苦しくなってくるので、手抜き工事のきっかけにもなります。結果、仕上がりの品質が非常に悪くなり、最初は安いと思っても、後々困ることになります。

安く良い家を手に入れるということは、適切な工事内容で安く施工してもらう。ということであって、何でも良いから安くしてもらえれば良いというのとは違います。この点のバランスの判断とアドバイスが出来るのも、設計事務所を通して家をつくるときの大きなメリットです。