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狂言  三笑会

その他

京都府立芸術文化会館に、狂言「三笑会」を見に行きました。
大蔵流狂言師の松本薫さん、丸石やすしさん、網谷正美先生を中心とした定期公演会です。3演目+舞×3という充実の内容で、前売り1200円はかなりお得な内容です。又、気軽に見に行けて、とにかく面白いです。
(三笑会は能舞台ではなく、和室の大広間、又は劇場を使って演じられます。)

私も伝統芸能を知らなかった時は、狂言がどんなものか分からず、難しい堅い芸能だと思っていましたが、実は何も考えずに見て笑えるというのは吉本新喜劇を見るのにも匹敵する気軽さがあると思います。しかも、約650年の歴史によって洗練された所作は美しく、芸術的です。見たことが無いかたは是非お勧めです。(次回公演は2月だそうです。)

幕間に、井口竜也さんから狂言の特徴に関する解説があったのですが
・約650年前に始まった。
・基本は喜劇である。
・屋外の広い場所で行われる劇だったので、表現は大げさにする。
・大道具は無い(舞台背景等は作らない)。台詞で背景をイメージさせる。つまり台詞劇。
・場面転換は、舞台内を歩くことと台詞によって行われる。

私的には、「大道具が無い」というところがとても気になります。能舞台は3間四方(約5.46m×5.46m)の空間なのですが、その中で目には見えない、ありとあらゆる場面が台詞と所作によって表現されます。物質的には何も表現していない「無」の空間なのですが、それが逆に想像力をかき立てて、劇をより面白くしていると思います。そして、劇が終わった後はまるでサーカス小屋が無くなった空き地のように、無の空間へと戻ります。
ここに私は、日本の粋というか風流を感じるのです。