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目神山の家7・見学

建築




建築家・石井修の作品である「目神山の家7」を見学しました。通常は見学不可能な個人住宅ですが、現在のオーナーさんのご好意により見せて頂く事が出来ました。(オーナーのMさんは、約15年の間空き家になっていて朽ち果てかけていたこの家を2年がかりで修復された、非常に建築が好きな方でした。)又この機会を作ってくれたのは、友人の森本雅史君です。お二人ともどうもありがとうございました。

目神山の家は全部で20軒あり、全て一人の建築家・石井修の自邸である「目神山の家1」に惹かれた複数のクライアントが自然と目神山に集まり、石井氏に次々と設計を依頼されて出来たものです。その魅力は自然環境と一体となった空間と、力強い素材の使い方や、独特のプロポーションなのですが、雑誌や写真で見ただけでは良く分からない部分が多く、一度体験してみたいと常々思っていたものです。

実際に見た感想は、予想通り周囲の豊かな自然を室内に居ながらも良く感じられる空間でしたが、色々な寸法が普通の住宅より少し大きめで設計されており、大らかで剛胆な印象を受けました。又、民家風、和風、洋風、モダンなど様々な意匠を織り交ぜてありましたが、一連の空間として見たときに、まとまり感と落ち着きが感じられるのは、巨匠の才能と技だと感じました。
これはデザイン的に簡単に出来そうで、実は非常に難しいことです。数寄屋的な手法と言えますが、一般的な数寄屋の繊細さよりも、民家的、寺社的な太さや力強さが感じられる点が独特でした。

住宅という枠を超えて、建築とは芸術の一分野であるということを再確認出来た一日でした。