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丹波橋の家

作品

電車の線路に隣接し、かつ旗竿敷地という比較的厳しい条件に建つ住宅です。

電車の騒音や、周囲の家屋からの視線を建物の配置、窓の大きさと高さの工夫によって防御しました。簡単に言うと、騒音の来る方向の壁面は窓の少ないプレーンな面、つまり防音壁として幅広く立ち上げ、反対側に比較的静かな囲われた庭を設けてそちらにメインの大きな窓を一つ設けるというシンプルな方法にて対処しました。

救いだったのは、日当たりは良好で敷地面積に余裕があり、光や風の通り道を考慮することが出来、全体的に窓を小さくした割には明るく、風通しの良い空間に出来たことです。また、電車も極低速になる線路位置だったこともあって、実際屋内ではほとんど電車の音は気になりません。

空間的には、クライアントが友人を沢山招いて楽しめるように、気積の大きな伸びやかなスペースをメインに配置し、春秋には庭にも出て外部と一体的に使えるようにしました。庭にはジューンベリーを植えて新緑、紅葉、花、果実の採取も楽しむことが出来ます。

線路敷の隣で、奥まった敷地にあるという悪条件の住宅も、実際行ってみると豊かな空間があって居心地が良い。という意外性が出せればこのプロジェクトは成功ではないかと思っています。













建築設計 A.C.E.波多野一級建築士事務所
構造設計 造形工学研究所 福永 毅
家具設計 坂田卓也製作所
建築施工 フォレストウッド
写真撮影 沼田 俊之