Blog

高畑の家・見学

建築




高畑の家(設計:mega/長坂大)の見学に行ってきました。
古い町家も残っている閑静な住宅街にあり、天気も良いので中々良い見学日よりでした。修業時代に勤めていた事務所の師の作品というのは、巣立った後になっても何かを学び取る機会であり、自分の現在の位置を確認する為の指標にもなります。
敷地が景観形成地区にあり、伝統的な外観を求められる為に、道路に面して和風の意匠の門屋が設けられており、道路から一見すると全く普通の和風住宅に見えます。門屋の後ろに大きな前庭、そして母屋、一番奥に裏庭という重層した構成になっていますが、前庭を挟んだ母屋のファサードデザインは全く和風の意匠は用いられずに、いつものmega作品独特のものです。しかもシンメトリー。この門屋と母屋のデザインのギャップが非常に大きくて最初少し戸惑いました。でも後で考えてみると、このギャップが大事なのではないかという気がしてきました。トンネルを抜けるとそこは雪国だった・・・ではないですが、ごく普通の門扉の向こうには全然違う風景がある、というのは面白いことなのかもしれません。
伝統的な町並みと、現代的なデザインの調和というのは京都に住む我々にも大きな問題ですが、これも解決方法の一つではないかと思います。