Works /
鳴滝の家 House in Narutaki

庭と街路空間を引き継ぐ

「鳴滝の家」は、京都市内北西部の閑静な住宅街に位置する住宅です。この地域は新旧の建物が建ち並ぶ住宅街で、緑豊かな庭を持つ住宅が多く、潤いのある街路風景を保っています。今回の敷地には既存の南庭があり、小さいながらも風情ある和風庭園で、さながら市中の山居のような佇まいが特に印象に残っており、それらを引き継ぎ生かす空間を設計したいと考えました。

まず、建物の周囲三方を異なる2種類の庭で囲むことにしました。西側の前面道路に対して開かれた前庭と、リビングダイニングに開かれた南東に細長く連続する奥庭に分けています。そして、その前庭と奥庭の間に土間床のアトリエを配置し、表から奥へ通り抜けられる構成にし、パブリック空間からプライベート空間を穏やかに繋ぎました。また、街路空間からアトリエの引戸越しに奥庭の気配をさりげなく感じられるようにしています。

奥庭の既存樹木はそのまま生かしつつ、シラカシやトネリコ、ソヨゴ、アカシデなどの新たな樹木を加えました。また竣工後、施主の希望により造園家の清野陽介氏によって、さらに緑豊かな庭へと整えていただきました。

リビングダイニングとアトリエは南東の奥庭に大きく開いた水平窓を配し、内と外が一体となるような設計としています。さらに、リビングには吹抜けを設け、縦方向にも広がりを持たせることで、開放感と自然光をふんだんに取り入れました。室内に差し込む木洩れ日が刻々と変化する様子を楽しめるようにすることで、心地よい住まいとなったのではないかと思います。

所在地 / 京都市
主要用途 / 住宅
規模 / 地上2階
主体構造 / 木造軸組工法
構造設計/ アトリエSUS4 能戸 謙介
施工 / 株式会社 ツキデ工務店
造園 / Planta 清野 陽介
写真 / 沼田 俊之