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待兼山の家 House in Machikaneyama

連続する庭とテラス敷地の約半分を庭とし、その庭と2階の広いテラス、そして大阪市内を一望出来る屋上を外部階段により繋ぎ、敷地の周辺環境を注意深く読み込みながら3つのレベルの連続した屋外空間を配置しています。1階の庭に対して主寝室と子供室を対面させ、2階のテラスにはダイニングキッチンを隣接させるなど日々の生活が豊かになるように計画しています。

修景と上方への解放庭の地表をクローバー、ヒメイワダレソウ、ダイカンドラなどで緑化、約7メートルのイヌシデをシンボルツリーとして植樹し、敷地内に潤いのある風景をつくりだしています。また、地上より上方に登るに従って徐々に開放的な空間となるような断面構成として、この敷地の持っている空間的な可能性を最大限生かすことを考えました。そうすることによって、住宅としての質とプライバシーを確保しつつ周辺環境や自然との繋がりを実感しながら暮らせる場所となっています。

素材と時間素材に関しては時間の経過とともに変化と味わいが出るものを中心に採用しています。外観は杉板張りとし、内装には栗、松、漆喰、深草土などを採用しています。アプローチの踏み石には100年近い年月を経た古材のかつら石を用いており、庭の植栽ともよく馴染みます。この建物の穏やかな変化が歴史ある待兼山の風景における記憶の一部に貢献することを期待しています。



所在地 / 大阪府豊中市
主要用途 / 住宅
規模 / 地上2階
主体構造 / 木造軸組工法
構造設計/ 造形工学研究所 福永 毅
施工 / 株式会社上原工務店
写真 / 沼田俊之