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待庵

建築

三月より拝観の申し込みをしていた、妙喜庵待庵を見に大山崎に行きました。
日本に三つある国宝茶室の一つで、千利休の構想による茶室と確認されている唯一のものです。内部の土壁は桃山時代のもので、千利休や秀吉が茶を飲みながら見ていた壁そのものです。残念ながら写真は撮影禁止でした。
この妙喜庵のある場所ですが、何とJR山崎駅の真ん前。非常ににぎやかで、イメージしていた立地とはだいぶ違いました。その昔、電車や高速道路が開通する前は、淀川が南東方向に望め、北西方向には天王山がよく見えて、とても眺めの良い静かな環境だったそうです。この茶室は室町時代に建てられた書院に増築(移築)する形で付け加えられたものですが、淀川方向へ突き出すような配置で、最も景色の良さそうな方に向けて建てられています。なので、茶室に入るまでのアプローチを歩くとき、又茶室内部の連子窓より、はるか下方に淀川が望めたかもしれません。もし、昔のままの環境で見ることが出来たなら、さらに良く見えたでしょう。
もちろん、建物も非常にプロポーションが良く、極小サイズの空間は非常に愛らしく、一見の価値があります。